これまでの私は、与えられた「役割」の中で精一杯生きてきました。
障害があるからこそ持てた役割。
支援を受けたからこそ持てた立場。
その一つひとつが、私を支えてくれたのは確かです。
でも、最近気づいたのです。
役割に縛られるだけではなく、その枠を超えて、
もっと自分らしい生き方を広げていきたい、と。
今回は、「役割を超える挑戦」をテーマに、
私が歩んできた道と、今考えている未来についてお話しします。
目次
1. 役割が支えてくれた日々
私は障害を抱えて生きてきました。
子どもの頃から、学校や地域、家族、さまざまな支援者に支えられ、
「助けられる側」としての役割が、私の中に自然と根づいていました。
大学で福祉を学び、社会福祉士の資格を取得したのも、
「自分の経験を福祉に還元したい」という思いからです。
福祉の現場で働く中で、私は利用者さんの相談を受け、
支援計画を立て、さまざまな立場の人と連携してきました。
その役割は、私に自信を与えてくれました。
「誰かの力になれている」という実感は、
私の居場所そのものだったのです。
2. 役割の枠に気づいた瞬間
でも、あるとき私は気づきました。
福祉の現場で関わる相談は、生活支援や制度のことが多く、
「就労」や「キャリア」についての相談は、専門外として扱われることが多いということに。
私は、心の奥がざわつくのを感じました。
なぜなら、私自身が大学卒業時、
就職活動でとても苦労した経験があったからです。
ある企業の面接では、面接官にこう言われたことがあります。
「もう少し障害が軽ければ、採りたいんだけどね。」
その言葉は、私の胸に深く突き刺さりました。
障害のある人は、さまざまな制約の中で、
いわゆる健常者よりも就職が難しい現実があります。
だからこそ、私は思いました。
福祉の相談にとどまらず、
就労やキャリアの分野でも、専門的な知識を持って支援できるようになりたい。
3. 枠を超えて挑戦する理由
私はオンラインのキャリアコンサルタント養成校に入学し、
国家資格 キャリアコンサルタントの資格を取得しました。
学びの中で改めて痛感したのは、
「キャリア」は健常者・障害者問わず、すべての人に関わる大事なテーマだということ。
自分は何をしたいのか、何ができるのか。
そのために何を準備し、どんな働き方を選ぶのか。
そうした自己分析や情報整理を、
障害のある方と一緒に考え、寄り添うことができる。
それは、私がこれまで担ってきた福祉の「支援者」という役割を超え、
もっと大きく、生き方そのものを支える挑戦になるのではないかと感じています。
もちろん、不安はあります。
でも、だからこそ挑戦する意味があるのだと思っています。
4. 最後に ― 広がり続ける生き方を目指して
役割は、人を支えてくれるものです。
でも、それに縛られてしまえば、可能性は閉じてしまう。
私はこれからも、福祉の現場での相談支援を大切にしつつ、
キャリア相談や就労支援の分野にも、自分の足を踏み出していきたい。
障害のある人も、そうでない人も、
自分の強みや可能性を信じられるような支援を、届けていきたい。
それが、私が「役割」を超えて挑戦し続ける理由です。
生き方は、広げ続けられる。
これからも私は、そう信じて、進んでいきます。
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