「やってみなきゃ、わからない」。これは、私が何度も失敗しながら、それでも挑戦し続けた中でたどりついた答えです。
障害があることで、最初から「無理」と言われることも多かった。
それでも、自分でやってみなければ、本当に無理かどうかなんて、誰にもわからない。
この記事では、小学生の頃の悔しい失敗体験、高校時代の転機、そして大学進学、資格取得に至るまでの挑戦を振り返りながら、「失敗を恐れずにやってみることの意味」について、私の実体験をもとにお伝えします。
目次
- 1. はじめての悔し涙 ― 小学4年生の漢字検定
- 2. 高校3年生、先生のひと言に突き動かされて
- 3. 大学進学 ― “やってみたい”を形にする
- 4. 国家資格への挑戦 ― 社会福祉士と働きながらの受験
- 5. 失敗から学んだこと ― 「挑戦」の意味
- 6. 最後に ― 失敗しても、やってみる価値
1. はじめての悔し涙 ― 小学4年生の漢字検定
私が「失敗」というものを強く意識したのは、小学4年生のときでした。
漢字検定に挑戦したのですが、結果は散々で、時間切れになってしまい、7割ほどしか解答できませんでした。
私は脳性麻痺のため、右手にまひがあります。
「頑張らなきゃ」と思えば思うほど体に力が入り、筆圧は強くなり、字のバランスは崩れ、ますます焦って書けなくなる。
試験会場で「できない自分」に直面した私は、情けなくて、悔しくて、その場で泣いてしまいました。
でも、その失敗が、私を変えてくれました。
力を抜く練習をしたり、試験に向けて前回以上に学習したり、本番で緊張しないように深呼吸の練習をしたり。
薄めの鉛筆を選んで、筆圧を調整しやすくしたのも、自分なりの工夫でした。
そして、再挑戦の末、合格できたときの嬉しさは、今でも忘れられません。
2. 高校3年生、先生のひと言に突き動かされて
高校3年生のとき、私は進路について悩んでいました。
そのとき、担任の先生にこう言われたのです。
「大学に行けなければ、施設に行くしかないかもしれないな」
今思えば、先生なりの励ましだったのかもしれません。
でも当時の私は、まるで突き放されたような気持ちになりました。
けれど、その言葉が逆に私の背中を押してくれました。
「このままでは終われない」「自分の将来を他人に決められたくない」
そう強く思った私は、大学進学を真剣に考えるようになったのです。
3. 大学進学 ― “やってみたい”を形にする
大学進学を決めたものの、周囲からは「無理だ」と言われ続けました。
「バリアフリーじゃない環境でどうするの?」「一人暮らしなんて大丈夫?」
いろんな不安の声が飛んできました。
でも、私はやってみたかった。
どうしても、やってみてから判断したかった。
結局、県外の大学に進学し、初めての一人暮らしに挑戦しました。
生活も勉強も簡単ではありませんでしたが、自分で道を切り開いたという自信が、少しずつ芽生えていきました。
4. 国家資格への挑戦 ― 社会福祉士と働きながらの受験
大学卒業後、就労支援の仕事に就きました。
同時に、社会福祉士の国家資格の取得も目指していました。
しかし、国家試験には一度で合格できず、何度か挑戦することになりました。
働きながらの受験勉強は想像以上に大変で、疲れて眠ってしまう日もありました。
でも、そのたびに知識を深め、反省し、復習して次に活かすことで、少しずつ確かな力が身についていきました。
「失敗しても、やめなければ前に進める」
この時、私はその意味を実感しました。
5. 失敗から学んだこと ― 「挑戦」の意味
何度も失敗してきたけれど、そのたびに私は新しい視点を得てきました。
「できない自分」に出会うことは怖いことです。
でも、失敗しなければ気づけなかったことが、たくさんある。
漢字検定で感じた「力を抜くことの大切さ」
大学進学で得た「やってみる勇気」
資格試験で実感した「継続する強さ」
これらすべてが、私の人生を支える土台になっています。
6. 最後に ― 失敗しても、やってみる価値
もし今、「やってみたいけど、失敗したらどうしよう」と悩んでいる方がいたら、私はこう伝えたいです。
「やってみなきゃ、わからない」
そして、「やってみた先にしか、見えない景色がある」
失敗を恐れず、自分のペースで、自分のやり方で。
挑戦したことは、必ず自分の力になります。
私もこれから、まだまだ挑戦を続けていきます。
そして、いつかその経験が、誰かの背中を押すきっかけになれたらと思っています。
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