障害と向き合う

“ありがとう”が重たかった日 ― 感謝と自己否定のあいだで

「ありがとう」って言われるたびに、少し心が重くなることはありませんか?

本当は感謝されることはうれしいはずなのに、
時にそれが自分を責める理由になってしまうことがあります。

今回は、そんな「ありがとう」にまつわる経験と、
そこから得た気づきについてお話しします。

目次

1. “ありがとう”が重たかった瞬間

障害があることで、日常のちょっとした場面でも助けてもらうことが多い。

ドアを開けてもらったり、荷物を持ってもらったり、
電車で席を譲ってもらったり。

もちろん、そうしてもらえるのはありがたいこと。

でも、そのたびに「ありがとう」を言うたび、
「もし自分が健常者だったら、こんなに何度も感謝しなくていいのに」
そんなふうに考えてしまうことがある。

2. 感謝が自己否定になるとき

「ありがとう」が素直に言えないのは、
「自分が迷惑をかけている」という気持ちが心のどこかにあるからかもしれない。

「助けてもらわないと何もできない自分」

「人に負担をかけてしまう存在」

そんなふうに感じてしまうと、感謝の言葉が重くなってしまう。

でも、本当に大切なのは、
相手が手を差し伸べてくれたその気持ちに対して素直に感謝すること。

3. “ありがとう”を素直に受け取るために

「ありがとう」を重たく感じないためには、
自分の存在価値をもっとポジティブに捉えることが大切。

「感謝される側」だけでなく、「支える側」にもなれるという気づき。

できないことがあっても、その分できることがある。
お互いに支え合って生きているという実感が、
感謝の言葉をもっと自然に受け取れるようになるはず。

4. 最後に ― 感謝と自己肯定のあいだで

感謝の気持ちは素直に受け取ることが大切。

でも、それが時に重たく感じるのも自然なこと。

大切なのは、その感情を否定せず、
少しずつ自分の存在を肯定できるようになること。

これからも、「ありがとう」を自然に受け取れる自分でありたい。

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