リード文:
「困ったときは言ってね」と言われても、お願いするのはいつも勇気がいりました。
ようやく伝えられるようになった“お願い”も、ときには断られることがあります。
そんなとき、私はどう気持ちを整理してきたのか。
お願いすることの難しさと、それでも関係を築いていこうとする想いを綴ります。
目次
- 1. はじめに ── 「断られる」って、思っていた以上にこたえる
- 2. 断られたあと、自分を責めてしまった
- 3. 「断られるのがこわい」から「断られても終わりじゃない」へ
- 4. 「お願い」を“伝え方”で工夫する
- 5. 「断られた」ときに自分を守る方法
- 6. それでもお願いし続ける理由
- 7. まとめ ― 支援は“やりとり”で育っていく
1. はじめに ── 「断られる」って、思っていた以上にこたえる
「困ったときは、いつでも言ってね」
そんな言葉を信じて、思い切ってお願いしてみた。
でも返ってきたのは、「ごめんね、それは無理かも」という、やんわりとした断りの言葉。
頭ではわかっているつもりでした。
相手にも都合があるし、断る自由がある。
それでも、実際に断られると――
胸の奥がじんわりと、痛くなるのを感じました。
“お願いする”って、勇気がいる。
そして“断られる”って、予想以上にこたえる。
これは、その痛みをどう受け止め、どう乗り越えてきたかを、私なりに振り返るお話です。
2. 断られたあと、自分を責めてしまった
「やっぱり、お願いなんてしなければよかった」
断られたあと、まず出てきたのは自己否定でした。
「タイミングが悪かったのかな」
「言い方がまずかったのかな」
「そもそも、こんなお願いをして迷惑だったんじゃないか」
相手が責めたわけじゃないのに、自分の中でぐるぐる反省会が始まってしまう。
あのときの空気、相手の表情、自分の声のトーン――
全部を何度も思い返して、「私が悪かった」と結論づけようとしていた自分がいました。
“お願いする”って、ただ頼むだけじゃないんですよね。
自分の弱さやできなさを見せることでもあって、だからこそ、断られると深く傷ついてしまうのかもしれません。
3. 「断られるのがこわい」から「断られても終わりじゃない」へ
でも、いくつかの経験を重ねるうちに、少しずつ考え方が変わってきました。
断られたからといって、すべてが終わるわけじゃない。
お願いしたことで関係が壊れるわけじゃない。
むしろ、「無理なときは無理と言ってもらえる関係」って、信頼の証でもあるんじゃないか――
そう思えるようになってきたんです。
それに、断られたあとも、相手が気にかけてくれていたり、
別の形で支えてくれたりすることもありました。
「ごめんね、あのとき手伝えなかったけど、今なら大丈夫だよ」
そんなふうに言われたこともありました。
そのとき私は、「お願いしたことは無駄じゃなかったんだ」と、肩の力が抜けるような気持ちになりました。
4. 「お願い」を“伝え方”で工夫する
断られた経験を重ねたことで、お願いの仕方にも少しずつ工夫をするようになりました。
それは、「どう頼むか」が、相手との関係を左右することがあると気づいたからです。
たとえば、こんなふうに伝えるようになりました。
「これをお願いしたいんだけど、難しかったら遠慮なく言ってね」
「時間があるときで大丈夫だから、手が空いたらお願いできるかな?」
こうやって“選択肢”を相手に渡すような伝え方をすると、
相手も断りやすくなるし、こちらも“無理にお願いした”という気まずさが少なくなります。
お願いすることは「相手を信頼すること」でもあるけれど、
相手の自由も尊重することなんだと、実感するようになりました。
5. 「断られた」ときに自分を守る方法
それでも、断られるとやっぱり少し落ち込みます。
そういうとき、私は「断られた」という事実と、「自分の価値」を分けて考えるようにしています。
たとえば、
「これは相手の都合でできなかっただけ。私がダメな人間というわけじゃない」
「断られるのは、よくあること。自分に問題があったわけじゃない」
そんなふうに、自分に言い聞かせるようにしています。
人からの評価や返事で、自分の価値を決めない。
それは、簡単なようでいて、すごく大事な“自分を守る技術”だと思います。
6. それでもお願いし続ける理由
お願いすることって、何度も失敗するし、心が折れそうになることもあります。
でも、それでも私は、お願いすることをやめません。
なぜなら、誰かにお願いすることが、誰かと関係を築く第一歩になると感じているからです。
「お願いして、助けてもらって、ありがとうと伝える」
そのサイクルの中で、少しずつ信頼関係が育っていく。
お願いするたびに、“ひとりでがんばらなくていい”という安心が生まれて、
お願いされる側にも、きっと“力になれた”という実感が残っていく。
だから私は、これからも“お願いする勇気”を持ち続けたいと思っています。
7. まとめ ― 支援は“やりとり”で育っていく
お願いすることは、弱さの表れじゃない。
それは、相手との関係を築こうとする、あたたかい行動です。
断られることもあるし、気まずくなることもあるけれど、
支援って、お願いする側と応える側の“やりとり”の中で、少しずつ育っていくものなんだと思います。
だから私は今日も、必要なときに、必要なお願いをしていく。
できることを差し出して、できないことは伝える。
そうやって、一人ではたどり着けなかった場所に、誰かと一緒に進んでいける――
そんなふうに支え合える社会を、これからも目指していきたいです。
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