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支援者と“ちょっと気まずくなったとき”、どう立て直す?

支援の仕事をしていると、利用者さんとの関係だけでなく、支援者同士の関係もとても大切になってきます。でも、ときには「ちょっと気まずい空気」になってしまうことも…。職場の中で、年齢や立場の違う相手との距離感に悩むことは、決して特別なことではありません。今回は、そんな“間が空いてしまった関係”とどう向き合い、立て直していくかを一緒に考えてみましょう。

気まずさは、悪いことじゃない

人間関係が「うまくいっていない」と感じたとき、多くの人は「自分が悪かったのかな」「もう信頼されていないかも」と、ついネガティブに受け取ってしまいがちです。

特に、“支援の専門職”として働いていると、「相手と良い関係を保たなければ」「関係性を乱してはいけない」というプレッシャーがあるため、気まずさを「ミス」や「失敗」として自分を責めてしまうことがあります。

でも実は、「なんとなく気まずい」「距離ができたかもしれない」と感じることは、人と関わるうえでごく自然なプロセスです。むしろ、それだけ相手のことを意識し、丁寧に関係を築こうとしている証でもあります。

だからこそ、大切なのは「気まずさをゼロにすること」ではなく、生まれた“間”をどう受け止めて、必要に応じてどう整えていくかという視点なのです。

年齢差・立場の違いがあると、さらに複雑に

特に、職場で自分より年上の人と関わるとき、「注意しづらい」「頼みにくい」「お願いしても素直に受け取ってもらえない」などの壁を感じることがあります。

こちらが上司やリーダーの立場であっても、年上の職員に対してはどうしても遠慮が出てしまったり、配慮しすぎて本音が言えなかったりすることも。

逆に、相手のほうも「年下に指示されるのは少し抵抗がある」「自分のやり方を変えたくない」という気持ちを持っている場合があります。

そのズレが積み重なると、徐々に「なんかやりづらい」「話しかけづらい」となり、距離ができてしまうのです。

でも、ここで大事なのは、「相手の気持ちが理解できないからダメ」ではなく、「今、すれ違っているんだな」と受け止めること

一度立ち止まり、どうやって向き合い直すかを考えることができれば、それはすでに「関係を大切にしている証拠」です。

無理に埋めようとしなくていい。「間」も関係の一部

気まずくなった関係を、早くなんとかしようと焦ってしまうこともあります。

でも、“気まずさ”には回復のプロセスが必要です。急に仲良くしようとしたり、何事もなかったように振る舞ったりすると、かえってぎこちなさが強まってしまうことも。

大切なのは、「今、間があることを認める」こと。

そして、無理に埋めようとせず、「今はお互いにちょっと距離が必要なタイミングかもしれない」と捉えることです。

“間”もまた、関係の一部。一度できた間があるからこそ、次に交わす言葉や行動に意味が生まれることもあります。

関係を立て直す、小さなアプローチ

距離を戻すときに効果的なのは、「やりとりのハードルを下げる」ことです。

  • お礼を伝える(例:「この前の○○、助かりました」)
  • 雑談レベルの声かけをする(例:「お昼、変わりましたね」)
  • 相手の得意なこと・貢献を認める

いきなり謝る・話し合うではなく、「安心して話せる空気」を少しずつ取り戻すことがカギです。

また、メールやメモなど、言葉以外の伝え方を使うのも有効です。

「この人は、関係を修復したいと思っている」という姿勢そのものが、相手にも伝わります。

…それでも、うまくいかないときもある

…この記事を書いている私自身も、実は今、「ちょっと気まずくなってしまった関係」を抱えています。

正直に言えば、まだうまく立て直せたとは言えません。

でも、だからこそ、伝えたいのです。「すぐに解決できなくても、自分を責めなくていい」ということ。

人間関係は、うまくいくときもあれば、そうでないときもあります。

どんな状態であっても、「もう一度向き合おう」と思う気持ちさえあれば、それはきっと力になります。

まとめ:人との“揺らぎ”を否定しない

支援の現場でも、職場の中でも、人と関わる以上“気まずさ”や“すれ違い”はつきものです。

それを「ダメなこと」と思わず、「そんなときもある」と認めて立て直す力こそ、支援職にとって大切な力の一つです。

あなたが今、「ちょっと気まずい関係」に悩んでいたとしても、大丈夫。

それは、ちゃんと人と向き合っている証拠。関係は、少しずつ、また育て直すことができます。

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