障害と向き合う

“挑戦し続ける”理由 ― あなたに伝えたいこと

これまで、たくさんの挑戦をしてきました。

障害を抱えた自分が、
大学に進学すること、就職活動を乗り越えること、
福祉の現場で支援者として働くこと、
新しい資格を取り、学び続けること。

どの挑戦にも、不安や迷いがついてきました。

でも今、振り返って思うのです。

なぜ、私は挑戦し続けるのか。
それは、目の前のあなたに、伝えたいことがあるからです。

今回は、「挑戦し続ける理由」をテーマに、
私のこれまでの歩みと、そこから見えてきた思いをお話しします。

目次

1. 挑戦は怖くて当たり前

私が初めて「挑戦」という言葉を強く意識したのは、大学進学を決めたときでした。

特別支援学校に通っていた私にとって、県外の大学に一人で進学することは、
勇気のいる大きな決断でした。

知らない土地、知らない人々、サポートが十分にあるかも分からない環境。

正直、怖かったです。

でも、挑戦は怖くて当たり前だと、今なら思います。

怖いからこそ、準備をし、助けを求め、成長できる。

挑戦は「できる人がする特別なこと」ではありません。
「今の自分にできることから一歩踏み出すこと」。
それが挑戦なのだと、私は学びました。

2. 過去の自分が教えてくれたこと

進学後、私の挑戦は続きました。

大学生活、就職活動、福祉の現場での仕事。

特に、就職活動では何度も壁にぶつかりました。

面接で「もう少し障害が軽ければ採りたいんだけどね」と言われたときの悔しさは、
今も胸に残っています。

でもその経験を通して、私は気づきました。

障害があることで生きづらさを感じるのは、
私個人が悪いのではなく、
社会の側に課題があるからだ、ということです。

障害は、本人の問題ではなく、
社会の環境や構造によって生み出される「社会的な障壁」。

そして、それを変えていけるのは、
私たち一人ひとりの意識と行動なのだと。

3. 挑戦を支えてくれた人たち

ここまで歩んでこられたのは、決して私一人の力ではありません。

家族、友人、先生、支援者、職場の仲間――。

そして何より、障害のある仲間たちの存在が、
私にたくさんの勇気をくれました。

「弱さを抱えていても、前に進んでいい」
「迷っても、立ち止まっても、挑戦は続けられる」

そう教えてくれたのは、
決して「強い人」ではなく、
日々、悩み、もがきながら生きている仲間たちでした。

4. あなたに伝えたいこと

この文章を、障害のある子どもたち、
そして障害のある状態で子どもを産んだことを悔やんでいる保護者の方に届けたい。

どうか知ってください。

障害は、あなたが悪いわけではありません。

障害があるからといって、夢を諦める必要はありません。

社会の側にまだ課題が残っているからこそ、
私たち一人ひとりの声と行動が、社会を変える力になります。

あなたが笑ったとき、挑戦したとき、
それは確かに未来につながる一歩です。

どうか、自分を責めないでください。

完璧じゃなくてもいい。
一緒に、弱さを抱えたまま挑戦し続けていきましょう。

それが、私が挑戦を続ける理由です。

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