リード文:
「そんな小さなこと、言っても仕方ない」
昔の私は、そう思って黙っていた。
でもある日、いつものタクシーで「言ってみる」ことにした。
それが、たった一台の車を、やがて“すべての車”を変えるきっかけになった。
目次
- 「乗りづらいな」と思っていた、いつものタクシー
- 勇気を出して伝えた、一言の提案
- 翌日、つかむ場所ができていた
- 自分のためだけじゃない ― 高齢者の方にも
- 小さな行動が、社会の“障害”をなくしていく
- 最後に ― 変化を生むのは、声をあげる勇気
1. 「乗りづらいな」と思っていた、いつものタクシー
私は普段、電動車椅子から自力でタクシーの後部座席に移乗している。
でも、いつも「ちょっと乗りづらいな」と感じていた。
というのも、掴まるところがないからだ。
手すりがあれば、もっとスムーズに移れる。
だけど、それを「仕方ない」と諦めていた。
2. 勇気を出して伝えた、一言の提案
ある日、思い切ってドライバーさんに伝えてみた。
「後部座席に掴まる場所があれば、もう少し楽に移れるんです」
その言葉を真剣に受け止めてくれた運転手さんは、うなずきながら聞いてくれた。
3. 翌日、つかむ場所ができていた
翌日、同じタクシーに乗ると、驚きの変化があった。
助手席のヘッドレストの後ろに、手で掴める輪っかがついていたのだ。
「これで乗りやすくなるかな?」とドライバーさん。
その気遣いが本当に嬉しかった。
4. 自分のためだけじゃない ― 高齢者の方にも
「これ、高齢のお客さんにもいいって言われたよ」
その工夫は、私だけでなく、多くの人の役に立った。
そしてその変化は、その車両だけでなく、すべての車に広がった。
5. 小さな行動が、社会の“障害”をなくしていく
大きなことじゃなくてもいい。
小さな気づきや声かけが、社会の“障害”を少しずつ取り除いていく。
大げさに見えるかもしれないけれど、それが「合理的配慮」や「共生社会」の第一歩になるのだ。
6. 最後に ― 変化を生むのは、声をあげる勇気
言わなければ、何も変わらない。
でも、言えば、誰かが耳を傾けてくれるかもしれない。
そしてそれが、社会全体を変える「きっかけ」になる。
私はこれからも、小さなことでも伝え続けていきたいと思っている。
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