障害と向き合う

“自分を許す”ということ ― 弱さを抱えたまま前に進む

「あのとき、こうしておけばよかった。」
「なんで自分は、もっと頑張れなかったんだろう。」

そんな後悔や自己嫌悪に、胸を締めつけられたことはありませんか?

私自身、障害を抱えて生きてきた中で、
たくさんの「できないこと」や「人に頼らざるを得ないこと」に直面し、
何度も自分を責めてきました。

でも今、少しずつ気づき始めています。
弱さを抱えたままでも、前に進んでいいんだと。

今回は、「自分を許す」というテーマで、
私がその気づきにたどり着くまでの道のりをお話しします。

目次

1. 自分を責め続けた日々

私は長い間、「自分は弱い人間だ」と思い込んでいました。

脳性麻痺という障害を抱えて生きてきた中で、
できないこと、周囲に頼らざるを得ないことが数えきれないほどあったからです。

家族に手伝ってもらうとき、
友人に助けられるとき、
先生に支えてもらうとき――

感謝の気持ちがある一方で、心の奥ではいつもこう思っていました。

「なんで自分は、一人でできないんだろう。」
「頑張っているはずなのに、なんでまだ足りないんだろう。」

できないことがある自分を責め、
周りに頼らざるを得ない自分に、失望していました。

2. できない自分を受け入れた瞬間

そんな私にとって、転機となったのは高校3年生のとき。

進路指導の場面で、担任の先生からこう言われたのです。

「大学に行けなければ、施設に入るしかないと思う。」

あまりにも強い言葉でした。

その場では、胸がぎゅっと締めつけられ、
「なんでそんなことを言われなければならないんだろう」
という悔しさでいっぱいでした。

でも不思議と、泣きはしませんでした。

その代わりに、心の中に強い火が灯ったのです。

「このままじゃ終わり

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