# 作詞作品
障害のある私だからこそ紡げる言葉がある。
このページでは、日常の想いや社会への問いを歌詞という形で表現した作品を掲載しています。
“あの日言えなかったこと”
“心の奥でずっと引っかかっていた違和感”
“あたたかさに救われた瞬間”
そんな記憶や感情を、ひとつひとつ言葉に変えました。
## 主な作品テーマ
– 無意識の差別と社会へのまなざし
– 兄との関係と“ふつう”の境界線
– 電動車椅子で生きるということ
– 宗教勧誘に感じた葛藤と母の愛
– 日常の中の“ちいさな光”
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## 楽曲化・コラボについて
作曲家・アーティストの皆様とのコラボも大歓迎です。
これまでにも、卒業式ライブや音楽祭への出品経験があります。
「この歌詞にメロディをつけたい」などのご相談は、
[お問い合わせページ]からお気軽にどうぞ。
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## 制作への想い
自分の人生が、そのまま誰かの背中を押せる作品になるかもしれない。
そう信じて、これからも言葉を紡ぎ続けます。
一誤一得(いちごいちえ)
通い慣れた道 見過ごされる段差 「そんなとこにあったっけ?」って 笑われるたびに
自分が見えてる景色が 誰かとは違うってこと 思い知らされる
正しさってなんだっけ 優しさってどこまでなんだっけ
自問自答してるうちに またひとつ 言いたいことを飲み込んだ
一つ間違えば ひとりぼっち でも誰かの ふとした仕草に救われる
世界は不完全で 僕もまた 未完成だけど
それでも 今日を歩いてる きっとそれが “一誤一得”(いちごいちえ)
エレベーターのない駅で 引き返す人 混雑した車内で 無言の圧力
そんな日々の中にも 「どうぞ」って言える声がある
愛は時に 声にならず 理解はたぶん いつも足りなくて
だけど歩幅を合わせようとすることが 共生っていう名前かもしれない
見落とされても 失われても 誰かの笑顔ひとつで 立ち上がれる
間違いだらけのこの街で 誰かと出会って すれ違って
ほんの少し 分かり合えた その奇跡を 一つずつ拾いながら
誰かを愛することで 僕はまだ間違うだろう
でもそのたび 優しくなれたら この心の不器用さも 悪くない
歩くたびに 転んでしまうけど そのぶんだけ 誰かの痛みに気づけた
一誤一得 それが僕の生き方だ
君と出会った意味を 今日も探してる 間違いながら 手をつないで
君のせいじゃない
あの子が転んだのは 心が弱いからじゃない 段差があったんだよ ただ それだけのことさ
「頑張ればできる」って その言葉 誰のため? 努力の形を決めるな 誰にもわからないだろう
君のせいじゃない この世界が 歪んでるんだ 声が届かないのは 君が黙ってるからじゃない
手すりも 言葉も 想像も 置き去りにしてきたから 君のせいにすんなよ これは 社会の責任だ
「普通にしろ」ってさ 普通って 誰が決めた?
合わせることが生きること? それじゃ 苦しいままだろう
何気ないその一言が 刃物より鋭くて 傷ついた顔さえ 気づかれずに隠される
君のせいじゃない 歩きにくいのは 君じゃない この街が 君を拒むように 作られてるだけなんだ
遠回りしてるんじゃない 遠回りしか ないだけだ そのことに気づかない 社会が まだ幼いだけ
誰かの正しさが 誰かを追い詰めてる 黙ってたら きっと 変わらない
でも 君がいる それだけで 強い 変えられる この世界だって
君のせいじゃない その涙が証明してる 生きにくさを感じるのは 君が弱いからじゃない
誰かの「普通」が 誰かの「障害」になるなら その価値観こそ 壊さなきゃいけないんだ