はじめに
「人に頼ってばかりで申し訳ない」
「自分でできないなんて情けない」
そんな気持ちを抱いたことはありませんか?
特に障害があると、日常の中でどうしても支援が必要になる場面があります。
そのたびに「またお願いしてしまった」「迷惑をかけていないだろうか」と罪悪感に襲われることは、私自身も数えきれないほど経験してきました。
でも本当に大切なのは、頼ることを責めるのではなく、頼れる自分を肯定することです。
■「頼る=弱さ」ではない
日本社会には「自立していることが立派」という価値観が根強くあります。
そのため「人に頼る」ことを「甘え」や「未熟さ」と結びつけてしまう人は少なくありません。
しかし実際には、誰もが大小さまざまに人に支えられて生きています。
電車やバスに乗れるのも、運転してくれる人がいるから。
毎日ご飯を食べられるのも、農家や流通の人が働いているから。
人は支え合いながら生きていて、そのつながりの中で「頼ること」も自然な営みのひとつなのです。
■私自身の体験
私は外出先で、ドアを開けるのを手伝っていただいたり、段差を越えるのを支えていただいたりすることがよくあります。
そのとき「すみません」と口にしてしまうのが癖になっていました。
けれどあるとき、手伝ってくださった方が「いやいや、ありがとうって言ってもらえると嬉しいよ」と笑顔で返してくれました。
その瞬間、「ああ、私は迷惑をかけたのではなく、関わりのきっかけを作れたんだ」と思えたのです。
それ以来、私は「すみません」ではなく「ありがとうございます」と伝えることを意識するようになりました。
■罪悪感を和らげる工夫
人に頼るときの罪悪感を和らげるために、次のような工夫が役立ちます。
- 「お願い」と「感謝」をセットにする
→「手伝ってくれると助かります、ありがとう」と言葉にする。 - 頼ることで相手の力を引き出していると考える
→人は誰かの役に立てるときに喜びを感じやすいものです。 - 「一人でできること」と「頼ること」を分けて考える
→すべてを自分でやろうとするのではなく、安心して委ねられる部分を見極める。
■まとめ
頼ることに罪悪感を抱くのは、それだけ「自分で頑張ろう」という気持ちが強い証拠です。
けれど、頼ることは弱さではなく「人とつながる力」。
無理に一人で抱え込まずに、「ここはお願いしてみよう」と思える自分を肯定できたとき、心はずっと軽くなります。
今日もどうか、自分が誰かに支えてもらえることを「ありがたい」と受け止めてみてください。
その瞬間、あなたはすでに誰かと支え合いながら生きている証なのです。
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