「なんであのとき、もっとちゃんと伝えなかったんだろう」
「あんなに我慢する前に、誰かに相談すればよかったのに」
ふとした瞬間に、自分を責める言葉が心の中に浮かんでくることはありませんか?
今回は、つらい思いを乗り越えたあとに湧いてくる“自分への後悔”や“自己否定”にやさしく向き合いながら、もう一度、自分を守る感覚を取り戻すヒントを綴ってみたいと思います。
そのときの自分は、“がんばる”以外の選択ができなかった
「もっと早く誰かに相談していれば」「どうして何も言えなかったんだろう」
過去の自分を振り返ると、そんな思いがあふれてくることがあります。
でも、思い出してみてください。そのときの自分は、決して“わざと”黙っていたわけではないはずです。
状況や立場、相手との関係性、これまでの経験…。
いろんな要素が絡みあって、「がんばる」以外の選択肢が見えなかったり、「がんばる」ことでしか自分を保てなかった時期があったのではないでしょうか。
だからこそ、そのときの自分には、そのときなりの“精一杯”があった。
あのとき、自分を守るために必死だった自分に、今のあなたが「よく耐えたね」と声をかけてあげることは、決して間違いではないと思うのです。
我慢してきたのは、弱さではなく「優しさ」かもしれない
自分の気持ちを後回しにしたり、無理に笑ったり…。
我慢しすぎてしまう人の多くは、「迷惑をかけたくない」「空気を壊したくない」といった“思いやり”から自分を抑え込んでいることがあります。
本当は言いたいこともあった。泣きたい日もあった。でも、誰かのことを考えて、そっと飲み込んできた。
それって、本当はとても優しい選択だったのかもしれません。
自分の優しさを否定しないでほしい。
そして、「その優しさを、自分自身にも向けていいんだ」と、今からでも思ってほしいのです。
今の自分が過去を責めても、あのときには戻れない
「ちゃんと助けを求めていたら」「もっと強く言っていれば」
そんなふうに自分を責める気持ちが出てきたとき、私はよくこう思うようにしています。
「そのときの自分には、それが“精一杯”だったんだよ」
今の視点で見れば、あのときの行動は「我慢しすぎ」に見えるかもしれません。
でも、当時の自分には、それしか選べなかったんです。
あのときの自分を否定することは、必死に生きのびようとしていた自分を否定することになる。
だからこそ、「よくやってきたよね」と、そっと自分に声をかけてあげる。
それだけで、過去の自分と少し仲直りができる気がします。
「我慢しない」は難しくても、「少しラクになる方法」は見つけられる
「もう我慢しない」と決めても、すぐにそれができるとは限りません。
むしろ、ずっと我慢してきた人ほど、いきなり本音を出すのは怖いし、戸惑うものです。
でも、「本音を出すのはまだ無理。でも、少しラクになれる方法はないかな」と考えてみるのはどうでしょうか。
たとえば、
- 信頼できる人に、「実は最近ちょっとつらい」と一言だけ伝えてみる
- 誰にも見せないノートに、モヤモヤを書き出してみる
- 「今日は無理しない日」と決めて、自分にやさしくする
小さな一歩でいいんです。
“我慢しない”というより、“少しでも自分を苦しめない”という選択。
それが、これからのあなたを守ってくれる力になるかもしれません。
まとめ:がんばってきた自分を、責めなくていい
我慢してきた過去を振り返ると、後悔や自己否定がわいてくることがあります。
でも、忘れないでください。
そのときのあなたは、あなたなりに一生懸命だったということ。
その気持ちに、「よくがんばったね」「今までありがとう」と言ってあげることが、
自分を大切にしていく一歩になるのではないでしょうか。
私自身、今でも「なんであのとき…」と振り返ってしまうことがあります。
でも、だからこそ、同じように悩む誰かに伝えたい。
「がんばってきた自分を、責めなくていい」と。
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