こころのケア

“無理しない”って、どうすればいいの? 自分にやさしくする第一歩

「無理しないでね」と言われても、「どこまでが無理なのか、よくわからない…」

そんなふうに感じたことはありませんか?

実を言えば、私自身もいまだに「無理しないって、どうすればいいんだろう」と思いながら、日々を送っています。

責任や期待に応えようとするほど、「がんばらないと」「迷惑をかけたくない」と気が張ってしまい、“無理してる自分”に気づけないまま進んでしまうことがよくあります。

だからこそ今回は、「無理しない」とはどういうことか、自分を守るとはどういうことか――

同じように迷っている方と一緒に、丁寧に向き合ってみたいと思います。

無理している自分に、気づけないときがある

私自身、無理しているときほど「大丈夫です」「やれます」と言ってしまう癖があります。

頭では「疲れてるかもな」と思っていても、誰かに迷惑をかけたくない頼りたくないがっかりされたくないという気持ちが先に立ってしまうのです。

そしてあとからドッと疲れが出たり、感情が爆発してしまったり…

振り返ってみると、「あのとき無理してたな」と思えるのに、その瞬間にはなかなか気づけませんでした。

「無理しないようにね」という言葉は、優しさであると同時に、とても難しい課題でもあるのです。

“がんばり癖”をゆるめるには

「もっと頑張らなきゃ」「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちは、私たちを前に進ませてくれる力でもあります。

でも、その頑張りが“しんどさ”に変わっていることに気づいたときは、少しブレーキをかける勇気も必要です。

私が意識しているのは、こんなことです:

  • 「○○しなきゃ」ではなく「○○できたらいいな」と言い換えてみる
  • スケジュールに「休む時間」も最初から組み込む
  • 体調より気持ちに違和感があるときこそ立ち止まる
  • 「誰かのため」よりも「自分を守るため」の選択をしていいと認める

ほんの少しでも「楽になった」「気がラクになった」と思える行動を、自分に許してあげる。

それが、無理をやめる第一歩になるのではないかと思うのです。

“無理しない”は、弱さではなく「選択する力」

無理をしないということは、ただ「手を抜く」ことではありません。

自分を壊さないように、バランスをとる知恵だと思っています。

ときには、がんばることが必要な場面もある。

でも、ずっと続けられない頑張り方では、いつか燃え尽きてしまいます。

だからこそ、「今の私は、どんな状態だろう?」「これは、自分にとって本当に必要なことだろうか?」と問いかけてみる。

「やらない」という選択をすることも、自分を守る力なのだと思います。

まとめ:「無理しない」って、私にとってもずっと課題です

正直に言えば、この記事を書いている私自身、まだまだ「無理をしない」ことができているとは言えません。

支える立場として、当事者として、責任を背負って動くことの多い日々の中で、どこまで自分を守れているか不安になることもあります。

それでも、「自分のしんどさに気づいてあげよう」とする姿勢が、きっと何かを変えるきっかけになるはず。

どうか、この記事を読んでくださっているあなたも、“できていない自分”にこそ、やさしさを向けてあげてください。

「無理しない」ことを、いっしょに少しずつ練習していきましょう。

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