障害と向き合う

「迷惑をかけたくない」が口ぐせに ― 障害当事者が語る支援を拒んだ理由とその先にある変化

「大丈夫です」「自分でやります」
気がつけば、いつもそう答えていました。
本当は少し手伝ってほしいのに、誰かの手を借りることが“迷惑をかける”ことのように思えてしまったからです。
この記事では、私自身の体験をもとに、「迷惑」という言葉に縛られていた心の正体を見つめ直してみたいと思います。

目次

  1. “迷惑かけたくない”が口ぐせだった
  2. 本音を言えなかったあの日
  3. “迷惑”の正体は、自分自身の思い込みでした
  4. 支援を受けることで育つ関係性
  5. 「ありがとう」がつなぐ心
  6. 最後に ― 遠慮より、対話を

1. “迷惑かけたくない”が口ぐせだった

「手伝いましょうか?」
そう声をかけてもらっても、「大丈夫です」と反射的に答えてしまうことがよくありました。
人に頼ることが悪いことのように感じていたのです。
気を使ってもらうこと=迷惑をかけること。
そんなふうに考えていた私にとって、支援は「受けとる」よりも「断る」ものになっていました。

2. 本音を言えなかったあの日

大学時代、私は教室の最前列に個別机を置いて講義を受けていました。
しかしその机は自分で運ぶことができず、いつも友人

“対等な関係”ってなんだろう? ― 支援・配慮・遠慮のあいだで前のページ

“わかってもらえない”が怖かった ― 誤解と偏見の中で育った私が見つけた伝える勇気次のページ

関連記事

  1. 生き方・自己理解

    それでも“言えなかった”あなたへ――伝えられないときの自分を責めないで

    言いたいことはあったのに、どうしても言葉にならなかった。伝えたかったけ…

  2. 共生・バリアフリー

    「“なんで歩けないの?”と聞かれて ― 子どもの素直な疑問にどう向き合うか

    なんで歩けないの?」と聞かれて ― 子どもの素直な疑問にどう向き合うか…

  3. 障害と向き合う

    笑顔”の裏にある本音 ― 障害者が無理して明るくなる瞬間

    「明るくいること」が自分を守る手段だった「笑っていた方が空気を壊さな…

  4. 共生・バリアフリー

    障害者の伝え方と支援の受け止め方

    障害者の伝え方と支援の受け止め方「助けて」が言えなかったあの日の気…

  5. 障がい者との関わり方

    “支援する側”だけじゃない ― 当事者として、支援者として

    “支援する側”だけじゃない ― 当事者として、支援者としてリード文:…

  6. 障害と向き合う

    “察してほしくない”のに“わかってほしい” ― 伝え方に迷った日々

    「わかってほしい」と「察してほしくない」の間で「障害があることを理解…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


  1. 共生・バリアフリー

    “いい支援者”ってなんだろう?頼る側・支える側のリアルな距離感
  2. 障害と向き合う

    “選ぶ”って、どういうこと? ― 自分の意思がわからなくなったあの日から
  3. 障害と向き合う

    “居場所”をつくるということ ― 自分の役割を探し続けて
  4. 共生・バリアフリー

    “頼ること”は“甘え”じゃない。自立と支援のほんとうの関係
  5. 共生・バリアフリー

    伝えることが、社会を動かす小さな声が起こした大きな変化
PAGE TOP