共生・バリアフリー

“かわいそう”のその先へ ― 見られる側から、生きる側へ




“かわいそう”のその先へ ― 見られる側から、生きる側へ|障害当事者として「視線」とどう向き合ってきたか


“かわいそう”のその先へ ― 見られる側から、生きる側へ

リード文:
ある日、通りすがりの人に言われた「かわいそうね」という言葉。
悪気がないことはわかっていたけれど、胸の奥に何かが残った。
私たちは、いつから“見られる側”になってしまったのだろう。
この記事では、そんな視線とどう向き合い、自分の人生をどう歩んできたのかを綴ります。
障害のある人の声が、もっと当たり前に社会の中に響くことを願って。

目次

  1. 「かわいそうね」と言われて
  2. 優しさの裏にある“上下”
  3. 「見られる側」から「生きる側」へ
  4. “支援される存在”というイメージの壁
  5. 自分の言葉で、自分の人生を語る
  6. 支援者に伝えたい ― 対等であるということ
  7. 最後に ― 生きるということの主体性

1. 「かわいそうね」と言われて

街を歩いていると、時折かけられる声があります。「かわいそうね」「頑張ってるね」「偉いわね」。
どれも、優しさからの言葉だとはわかっています。けれどその言葉の奥には、どこか“上からの視点”が含まれているように感じてしまうのです。

2. 優しさの裏にある“上下”

「ありがとうございます」と素直に受け取れない自分に戸惑いながら、私は考えました。
「ありがとう」と言ったあとに、「私、めっちゃいいことした」と話す人たちを見て、モヤモヤが残りました。
そこにあるのは、“してあげた”という構造。
そして、自分は“される側”として存在しているという感覚です。

3. 「見られる側」から「生きる側」へ

ずっと、誰かに「どう見られているか」を意識してきました。
でも、大学で一人暮らしを始めたことで、「自分がどう生きたいか」に意識が向くようになったのです。
“見られる人生”から、“生きる人生”へ。視点を変えるだけで、こんなにも景色が変わるのかと驚きました。

4. “支援される存在”というイメージの壁

社会には、「障害者=支援される側」という固定的なイメージが根強くあります。
もちろん、支援が必要な場面もあります。けれど、それが「常に一方的に助けられる存在」だと思われることに違和感を覚えます。

5. 自分の言葉で、自分の人生を語る

私は、福祉の現場で働くようになってから、「語ること」の意味をより強く感じるようになりました。
当事者として、支援者として、自分の言葉で伝えることの大切さ。
そうすることで、“かわいそう”というフィルターを外し、対話が始まると感じています。

6. 支援者に伝えたい ― 対等であるということ

支援とは、「上から与える」ものではなく、「共に考え、共に選ぶ」プロセスであるべきです。
社会福祉士として、管理者として、そして当事者として活動してきた今、私はそのバランスに常に悩み、模索しています。
ナチュラルサポートという概念があります。それは、制度や専門職によらない“自然な支え合い”を意味します。
そうした関係性こそ、対等な関係の出発点なのかもしれません。

7. 最後に ― 生きるということの主体性

私たちは、障害があることで“見られる存在”として扱われがちです。
でも、見られることに慣れすぎて、自分を語ることを忘れてしまってはいけないと、今は思います。
「見られる側」から「生きる側」へ。
そのために必要なのは、社会が変わるのを待つことではなく、自分自身の一歩かもしれません。


“わがまま”じゃないんだ ― 自分のニーズを伝える勇気前のページ

“支える側”も揺れている ― 支援者の孤独と葛藤次のページ

関連記事

  1. 障害と向き合う

    “役割”を超えて ― 自分の生き方を広げる挑戦

    これまでの私は、与えられた「役割」の中で精一杯生きてきました。障害…

  2. 障がい者との関わり方

    障がい理解ってなに?〜やさしく学べる福祉のはじめの一歩〜

    こんにちは!今日は「障がい理解」について、福祉に少し関心のある方や、…

  3. 障害と向き合う

    障害受容って、そんなにサクッとはいかないよね 〜“違い”と生きる物語〜

    こんにちは。この記事では、「障害受容」について、筆者自身の体験をもと…

  4. 障がい者との関わり方

    障害者の沈黙と伝えたい気持ち

    言葉にできない時間に、何があるのか声に出せなかった。言葉が見つからな…

  5. 生き方・自己理解

    “頼りすぎるかも”と不安なときに知っておきたいこと

    頼ることの大切さはわかっている。でも、何度も頼るうちに「申し訳ない」「…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


  1. こころのケア

    “無理しない”って、どうすればいい?
  2. 働き方

    “助けてと言えない”自分を責めないで。上手な頼り方のコツ
  3. こころのケア

    “我慢しすぎた自分”を責めないで
  4. 当事者の声

    “つながり”に疲れたとき、どう距離を取るか
  5. 共生・バリアフリー

    “頼ること”は“甘え”じゃない。自立と支援のほんとうの関係
PAGE TOP