「こんなこと頼んだら迷惑かな…」
「しんどいけど、我慢できなくはないし…」
そんなふうに、自分の気持ちや困りごとを押し込めてしまった経験はありませんか?
私自身、いつも「迷惑をかけたくない」と思って、本当の気持ちを伝えるのをためらってしまうことがあります。
でも、その“遠慮”が、自分自身を一番苦しめていることもあるのです。
今回は、「迷惑をかけたくない」という思いが強すぎるとき、どう心を整えていけばいいかを、一緒に考えてみましょう。
「迷惑をかけたくない」は、優しさでもあり、鎧でもある
「人に迷惑をかけてはいけない」
多くの人が、子どもの頃から言われてきたこの言葉。
もちろん、相手を思いやる気持ちはとても大切です。
でも、度を超えて「迷惑をかけちゃいけない」と思い込みすぎると、自分のつらさに蓋をしてしまうことがあります。
本当は「助けて」と言いたいのに、
「忙しそうだし…」「迷惑だろうし…」と飲み込んで、
自分の中に溜め込んでしまう。
そうした遠慮が積み重なると、ある日突然、心のコップがいっぱいになって、ぽろっと涙が出てしまうこともあります。
“役に立たなければ”と思い込んでいないか
「迷惑をかけたくない」気持ちの裏には、
「自分が役に立たなければ存在価値がない」という思い込みが隠れていることがあります。
心理学では、これを「条件付きの自己肯定感」といいます。
つまり、「誰かの役に立っていればOK」「頑張っていれば認められる」という条件がないと、自分を肯定できない状態です。
この思いが強いと、何かをお願いしたり、弱音を吐くことが「自分の価値を下げる行為」に感じられてしまいます。
でも、人の価値は「助けるか・助けられるか」では決まりません。
できることが減っても、誰かの支えが必要でも、あなたの存在そのものには変わらず価値があるのです。
“頼ること”は、信頼の証
私たちは「支える側」になることに慣れていても、
「支えられる側」になることには、戸惑いや罪悪感を抱いてしまいがちです。
でも、実は“頼る”という行為は、相手を信頼しているからこそできること。
人は頼られることで、自分の存在意義を感じたり、誰かの力になれた喜びを感じたりします。
つまり、「お願いすること」は、「奪うこと」ではなく、「与えること」でもあるのです。
だから、迷惑をかけたくないときこそ、「どう頼ったらいいか?」を考えてみてほしいのです。
“遠慮”が必要な場面と、“甘え”てもいい場面
もちろん、場面によっては遠慮や配慮が必要なときもあります。
でも、それが「常に」「すべての人に」「どんな場面でも」となっているとしたら、それはもう自分を守れていません。
「今日は体調が悪いからお願いしたい」
「心が折れそうだから、少し話を聞いてほしい」
そうした“甘え”は、決して悪いことではありません。
人との関係は、一方通行ではなく「お互いさま」でできているからです。
誰かの助けを借りたぶん、いつか別の誰かを支えることができる。
そう考えられると、少し心が軽くなるかもしれません。
まとめ:「迷惑をかけたくない」気持ちと、優しい距離感を
「迷惑をかけたくない」その気持ちは、あなたの優しさの証拠です。
でも、その優しさが自分を追い込んでしまうとしたら、少し立ち止まってみてください。
本当に今は、頼ってはいけない場面でしょうか。
本当に今は、自分だけで背負わないといけないことでしょうか。
迷惑をかけないことが、自分を大切にすることではないはずです。
どうかあなた自身に、「助けてもらってもいい」「頼ってもいい」と、
そんな優しい言葉をかけてあげてください。
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