こころのケア

“そんな風に感じる私はおかしいのかな”と思ったとき

「そんなの、あなたの考えすぎじゃない?」

「なんでそんなに気にするの?」

こんな言葉をかけられて、余計に傷ついたことはありませんか?

自分では真剣に悩んでいたことが、あっさり否定されたり、軽くあしらわれたりすると、「ああ、やっぱり自分が変なのかな」「こんな風に感じる私はおかしいのかな」と、どんどん自信を失ってしまいますよね。

今回は、「気持ちを否定されたとき、どうやって心を守るか」について、私自身の経験も交えてお話します。

否定されたとき、まず感じるのは「孤独」

人から否定されたとき、いちばんつらいのは、「自分の気持ちが存在していなかったかのように扱われること」ではないでしょうか。

たとえ意見が違っていたとしても、「そう感じたんだね」「そう思ったんだね」と、まずは受け止めてもらえるだけで、心は少し軽くなります。

でもそれすらなく、真っ向から「それは違う」と言われてしまうと、「自分が存在ごと否定された」ような感覚になってしまうのです。

あなたの「感じたこと」は、あなたの真実

心理学では、「事実」と「感情」は分けて考えることが大切だと言われます。

たとえ相手の意図が違っていたとしても、あなたが「悲しかった」「怖かった」と感じたなら、その気持ちはあなたの中に確かにあるもの。

感じたことには、必ず理由があります。

その感情を「感じてはいけない」と押し殺すことは、ますます心を追い詰めてしまいます。

「私は、あのときこう感じたんだ」

まずはその事実を、自分自身が認めてあげることが、心を守る第一歩です。

「わかってもらえない」ことと、「自分が間違っている」ことは別

否定されたとき、私たちはつい、「相手の反応=自分の価値」と捉えてしまいがちです。

でも、相手があなたの気持ちを受け止められなかったのは、「今はその人に余裕がなかっただけ」かもしれません。

他人の理解度と、あなた自身の正しさはイコールではないのです。

「わかってもらえなかった」「否定された」からといって、あなたがダメなわけではありません。

感情に正解・不正解はない。誰かに認められなければいけないものでもない。

自分の気持ちを、自分で「OK」と言ってあげていいのです。

否定されやすい人ほど、やさしさを持っている

実は、気持ちを否定されて深く傷ついてしまう人ほど、普段からまわりに気を遣い、やさしさを持っている人が多いと感じます。

だからこそ、「自分が何か間違ったのかな」と、自分のせいにしてしまいやすいのです。

でも、それはあなたの弱さではありません。

それだけ繊細に、他人の言葉を受け止めてきた証拠です。

そのやさしさを、自分自身にも向けてあげてほしいと思います。

まとめ:「否定されたとき」は、自分の味方でいてあげる

人から否定されると、自分の気持ちごと消されてしまったような気がして、つらくなりますよね。

でも、そんなときこそ、いちばんの味方でいてあげられるのは、自分自身です。

「私は、そう感じた。それでいいんだよ」

たとえ他の誰にもわかってもらえなくても、自分だけは、その気持ちをわかってあげてください。

心を守ることは、決して「甘え」ではありません。

それは、生きていくうえでの「必要なスキル」なんです。

あなたの心が、少しでも軽くなりますように。

“わかってくれる人なんていない”と思う夜に前のページ

“ちゃんとしなきゃ”に押しつぶされそうなとき次のページ

関連記事

  1. こころのケア

    イライラ・モヤモヤの正体に気づくには

    気づけば、ため息。言葉にできないまま心の中がモヤモヤでいっぱいになる。…

  2. こころのケア

    小さな“できたこと”を見逃さない

    はじめに私たちはつい「まだ足りない」「もっと頑張らなきゃ」と…

  3. こころのケア

    “私なんてどうせ…”と感じてしまうとき

    「私なんてどうせ…」気づくと、そんな言葉が心の中に染み込んでいる。…

  4. こころのケア

    イライラ・モヤモヤの正体に気づくには

    はじめに誰かに嫌なことを言われたわけでもないのに、なぜかイラ…

  5. こころのケア

    “無理しない”って、どうすればいいの? 自分にやさしくする第一歩

    「無理しないでね」と言われても、「どこまでが無理なのか、よくわからない…

  6. こころのケア

    “自分の気持ちをうまく伝えられない”と思うとき

    「言いたいのに、言葉が出てこない」「伝えたかった気持ちが、うまく言え…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


  1. 障害と向き合う

    “ありがとう”が重たかった日 ― 感謝と自己否定のあいだで
  2. こころのケア

    “無理しない”って、どうすればいいの? 自分にやさしくする第一歩
  3. 障がい者との関わり方

    “支援する側”だけじゃない ― 当事者として、支援者として
  4. 共生・バリアフリー

    “支える側”も揺れている ― 支援者の孤独と葛藤
  5. 共生・バリアフリー

    “支援する側”だけじゃない ― 当事者として、支援者として
PAGE TOP