「ちゃんとやらなきゃ」
「中途半端じゃだめな気がする」
「どうせやるなら、きちんとしないと意味がない」
そんなふうに、“ちゃんとしようとする気持ち”が強すぎて、自分を苦しくしてしまうことはありませんか。
責任感があることや、ていねいにやろうとすることは、悪いことではありません。
むしろ、それは大切な力です。
ですが、その気持ちが強くなりすぎると、
👉 少しのミスが許せなくなる
👉 まだ足りない気がして終われなくなる
👉 頑張っているのに、心が休まらなくなる
という形で、自分を追い込んでしまうことがあります。
私自身も、「出すならちゃんとしたものにしたい」と思いすぎて、かえって疲れてしまったことがあります。
そして支援の現場でも、真面目で責任感のある人ほど、“ちゃんとしなきゃ”で苦しくなりやすいと感じてきました。
この記事では、「ちゃんとしなきゃ」が苦しくなりやすい背景と、
👉 完璧を求めすぎて自分を追い込みすぎないための考え方を3つに整理します。
目次
- なぜ「ちゃんとしなきゃ」と思うのか
- 完璧を求めすぎると何が起こりやすいのか
- 完璧を求めすぎてしまう人の考え方3つ
- 「ちゃんとできない自分」はダメなのか
- 少し不完全でも続けられる形を選ぶ
- まとめ
1. なぜ「ちゃんとしなきゃ」と思うのか
「ちゃんとしなきゃ」という気持ちは、もともと悪いものではありません。
・迷惑をかけたくない
・いい加減にしたくない
・相手に失礼がないようにしたい
・自分なりに責任を果たしたい
こうした思いがあるからこそ、人はていねいに動こうとします。
ただ、その気持ちが強くなりすぎると、
👉 「ちゃんとできないなら意味がない」
👉 「少しでも不完全なら出してはいけない」
という考え方につながりやすくなります。
完璧主義はひとつの形だけではありませんが、研究では、特に自分を強く責めることや、失敗を過度に気にすることが強いと、長引くストレスや気分の落ち込みと関連しやすい傾向が示されています。
つまり、高い目標を持つことそのものより、自分に厳しすぎる状態が苦しさにつながりやすい、という見方ができます。 PMC
2. 完璧を求めすぎると何が起こりやすいのか
完璧を求めすぎると、いちばんしんどいのは、
頑張っているのに楽にならないことです。
たとえば、
・何度も見直してしまう
・少しのミスが気になって止まる
・出す前に不安が大きくなる
・「まだ足りない」と感じて終われない
・失敗が怖くて、始めるのが遅くなる
こうした状態が続くと、
👉 「ちゃんとやりたい」が、
👉 「動けない」「終われない」につながってしまうことがあります。
研究でも、失敗への恐れや強い自己批判をともなう完璧主義は、先延ばしや行動の止まりやすさと関連する傾向が示されています。
「完璧にできないかもしれない」と思うほど、始めにくくなったり、出しにくくなったりすることがあるようです。 PMC
少し意地悪な言い方をすると、
“ちゃんとやりたい気持ち”が、味方ではなく、厳しすぎる監督になることがあります。
しかも、その監督はだいたい厳しいのに、休暇はくれません。
3. 完璧を求めすぎてしまう人の考え方3つ
ここでは、「ちゃんとしなきゃ」が苦しくなっているときに意識したい視点を紹介します。
① 100点でないと意味がない、になっていないか見る
まず大切なのは、
👉 自分の中の合格ラインが高くなりすぎていないかを見ることです。
・少しでも抜けがあったらだめ
・1回でうまくやらないといけない
・人に見せるなら完成形でないといけない
・7割や8割では出せない
こうした考えが強いと、本当は十分に役立つものまで「まだだめ」に見えてしまいます。
でも実際の生活では、
・完璧な家事より、回る家事
・完璧な説明より、伝わる説明
・完璧な計画より、動ける計画
の方が役に立つことも少なくありません。
だからこそ、
👉 100点を目指すこと
と、
👉 今の自分で現実的に回せる形を選ぶこと
は分けて考えた方が楽になることがあります。
② 「ていねい」と「完璧」は同じではない
次に大切なのは、
👉 ていねいにやることと、完璧を求めることは同じではない
と考えることです。
ていねいにやる、というのは、
・必要なところを押さえる
・相手に伝わるようにする
・無理のない範囲で整える
ということです。
一方で、完璧を求めすぎると、
・細かいところが気になりすぎる
・何度も見直さないと不安
・少し足りないだけで全体がだめに見える
という状態になりやすくなります。
つまり、
👉 ていねいさは役に立つ力ですが、
👉 完璧へのこだわりは自分を削ることがある
ということです。
ここを分けて考えられるようになると、
「ちゃんとしたい」という気持ちを捨てなくても、少し楽になりやすくなります。
③ 「終わらせる力」も大切な力
完璧を求めすぎる人は、
頑張る力はすでに持っていることが多いです。
ただ、そのぶん
・終わらせる力
・区切る力
・今の時点で出す力
を低く見積もってしまうことがあります。
ですが実際には、
・まず出してみる
・いったん一区切りつける
・必要ならあとで直す
・その時点での最善で進める
こうした力も、とても大切です。
また、**自分への思いやり(セルフコンパッション)**を高める視点は、完璧主義の中でも特に苦しい側面をやわらげる可能性があるとされています。
一方で、高い目標を持って努力する気持ちまで、全部なくすわけではない可能性も示されています。
つまり、目標は持ったまま、自分への厳しさだけ少し下げるという考え方もできます。 Frontiers in Psychology
4. 「ちゃんとできない自分」はダメなのか
ここは、とても大切なところです。
何かが思った通りにできなかったとき、
・自分はだめだ
・結局続かない
・ちゃんとできない自分には価値がない
というふうに考えてしまうことがあります。
でも、本当は
・今回はうまくいかなかった
・今は余裕が足りない
・やり方が今の自分に合っていない
ということと、
・自分そのものがだめである
ということは、同じではありません。
できごとの評価と、自分の価値の評価が、くっつきすぎてしまうと苦しくなります。
厚生労働省の情報でも、こころや体が疲れたときは、自分のできる範囲で自分の面倒を見ることがセルフケアの基本とされています。
また、つらいときには一人で我慢しすぎず、その日の気分や体調に合わせて対処を選ぶことも大切だと案内されています。 厚生労働省
5. 少し不完全でも続けられる形を選ぶ
本当に大切なのは、
👉 完璧な一回より、
👉 続けられる形を選ぶことです。
たとえば、
・30分でできる範囲を先に決める
・7割できたら一度区切る
・「仮で出す」を許す
・改善前提で動く
・疲れている日は基準を少し下げる
こうした工夫は、甘えではありません。
むしろ、
👉 自分の心身を守りながら、前に進むための設計です。
ブログでも仕事でも生活でも、毎回100点を出そうとすると続きません。
けれど、70点でも回る形を作れると、続けることはできます。
そして、続けた方が少しずつ整っていきます。
人間も文章も、最初から完成版で出てくることはあまりありません。
むしろ、更新しながら育つ方が自然です。
まとめ
「ちゃんとしなきゃ」という気持ちは、責任感の表れでもあります。
ですが、その気持ちが強くなりすぎると、
・合格ラインが高くなりすぎる
・ていねいさと完璧を混同する
・自分を責めながら頑張り続ける
という形で、苦しさにつながることがあります。 PMC PMC
そんなときは、
・100点でないと意味がない、になっていないか見る
・「ていねい」と「完璧」は分けて考える
・「終わらせる力」も大切な力だと捉える
この3つを意識することで、少し自分を追い込みすぎずに済むようになります。
本当に大切なのは、
👉 完璧にやることではなく、
👉 無理を重ねすぎずに続けられることです。
少し不完全でも、前に進めるなら十分です。
人は、完成品として生きるより、更新しながら生きる方が、生きやすいのではないでしょうか。













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