こころのケア

イライラ・モヤモヤの正体に気づくには

気づけば、ため息。言葉にできないまま心の中がモヤモヤでいっぱいになる。

「またイライラしてしまった…」「こんなことで怒る自分が嫌になる」

誰かにぶつけるわけでもなく、でも自分の中にたまり続ける“感情のしこり”。

今回は、「イライラ」「モヤモヤ」といった気持ちの正体と、その奥にある“ほんとうの気持ち”に、やさしく近づいてみたいと思います。

イライラは、「わかってほしい」のサインかもしれない

イライラしたとき、私たちはつい「相手のせいだ」「状況が悪い」と考えがちです。

でも、その奥には実は「わかってほしかった」「がんばってたのに」など、伝えられなかった気持ちがかくれていることがあります。

私もよく、表では平気なふりをしていたのに、あとになってイライラや涙がこみあげてくることがあります。

そんなとき、「あれ、私ほんとはなにがつらかったんだろう?」と心に問いかけてみると、

怒りの奥にある、さみしさや疲れ、がっかりといった気持ちが見えてくることがあります。

イライラは、こころの奥にあるSOSを教えてくれる“サイン”なのかもしれません。

モヤモヤは、「ほんとうの自分」に気づくヒント

モヤモヤの正体は、もっとわかりにくいことがあります。

でも、「なんか引っかかる」「言葉にできないけど気になる」と感じたときは、

自分が本当に大切にしたいものに触れかけているサインかもしれません。

私がよく使う方法は、紙に「モヤモヤしたできごと」を書き出してみること。

そして、こんなふうに問いかけてみます:

  • 「本当は、どうしてほしかったのかな?」
  • 「自分の中で、何が“ひっかかった”んだろう?」
  • 「その場面、どんな気持ちだった?」

書くことで少し気持ちが整理されて、「ああ、自分はこう思ってたんだな」と気づけることがあります。

「こんなことでモヤモヤするなんて…」と責めないで

感情がわき上がったとき、私たちはつい「自分が悪いのかも」と感じてしまいがちです。

でも、気持ちはわき上がってくるものであって、コントロールするものではありません。

イライラする自分、落ち込む自分、モヤモヤする自分――全部、あなたの一部です。

「こんなふうに感じてしまったんだな」と、まずは認めてあげるだけでも、こころは少し落ち着いてくれます。

感情を消すのではなく、感情と仲良くなれるような向き合い方を、少しずつ見つけていけたらいいですね。

まとめ:「感情」は、自分からのやさしいメッセージ

イライラもモヤモヤも、決して悪いものではありません。

それは、「今の自分は何かに反応しているよ」「ちょっと立ち止まってほしいよ」という、自分自身からの大事なメッセージです。

私自身も、気持ちに余裕がないときほど、怒りっぽくなったり、意味もなく落ち込んだりします。

でも、そういう自分に「大丈夫、ちゃんと感じてるんだね」と声をかけてあげることで、

少しだけ、自分を傷つけずにすむようになってきました。

どうかあなたも、感情をしずめるのではなく、「受けとめてあげる」ことで、自分を守る力につなげていってください。

“無理しない”って、どうすればいいの? 自分にやさしくする第一歩前のページ

“我慢しすぎた自分”を責めないで次のページ

関連記事

  1. こころのケア

    イライラ・モヤモヤの正体に気づくには

    はじめに誰かに嫌なことを言われたわけでもないのに、なぜかイラ…

  2. こころのケア

    小さな“できたこと”を見逃さない

    はじめに私たちはつい「まだ足りない」「もっと頑張らなきゃ」と…

  3. こころのケア

    “人に合わせすぎてしまう自分”に気づいたとき

    私たちは日常の中で、無意識のうちに「人に合わせすぎてしまう」ことがあ…

  4. こころのケア

    “そんな風に感じる私はおかしいのかな”と思ったとき

    「そんなの、あなたの考えすぎじゃない?」「なんでそんなに気にするの?…

  5. こころのケア

    “大丈夫”って言いながら、本当はつらいとき

    「大丈夫?」と聞かれて、「うん、大丈夫」と答えてしまう。本当は心も体…

  6. こころのケア

    “わかってくれる人なんていない”と思う夜に

    「どうせ誰にもわかってもらえない」そう思ってしまう夜、ありませんか…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


  1. 共生・バリアフリー

    障害は遠い話じゃない ― 明日は我が身、だから今できることを
  2. 障害と向き合う

    笑顔”の裏にある本音 ― 障害者が無理して明るくなる瞬間
  3. 障害と向き合う

    記憶に残る景色は、自分で動いた先にあった
  4. メンタルヘルス

    休むことに罪悪感を覚えてしまうあなたへ
  5. 比較しない生き方

    人の評価ばかり気になって、自分の気持ちを見失うとき
PAGE TOP