相談支援

【福祉の相談で「何に困っているか分かりません」となる時】暮らしの負担を見つける考え方3つ

「困ってはいる。でも、何に困っているのかうまく言えない。」
福祉の相談では、これが意外とよくあります。しんどさはある。でも、それが通院なのか、家事なのか、外出なのか、人に頼ることなのか、自分でもうまく切り分けられない。頭の中ではモヤモヤしているのに、言葉にしようとすると急に逃げる。あの感じ、なかなか足が速いです。
でも、最初から困りごとをきれいに整理できていなくても大丈夫です。厚生労働省は、障害のある人のさまざまな問題について相談に応じ、必要な情報提供や障害福祉サービスの利用支援を行うと案内しています。また、障害福祉サービスの利用では、心身の状況だけでなく、社会活動、介護者、居住の状況、サービスの利用意向なども見ながら進める流れになっています。つまり、相談は「困りごとを完成させてから行く場所」ではなく、「困りごとを一緒に見つけていく場所」でもあります。厚生労働省 厚生労働省
この記事を読むことで、福祉相談で困りごとを整理する考え方、障害福祉サービスの相談で伝わりやすい暮らしの負担の見つけ方、相談支援や市役所で「何を話せばいいか分からない」と止まりにくくなるコツが分かり、相談前の不安を減らしやすくなります。

目次

  1. 「つらいこと」ではなく「止まりやすい場面」を見る
  2. 「できる・できない」ではなく「あとでどれだけ消耗するか」を見る
  3. 「毎日は困っていない」ではなく「崩れるきっかけ」を見る

1. 「つらいこと」ではなく「止まりやすい場面」を見る

困りごとが分からなくなる時は、まず生活のどこで止まりやすいかを見ると整理しやすくなります。
「何がつらいですか」と聞かれると広すぎて答えにくいのですが、「どこで止まりやすいですか」だと、少し具体的になります。

たとえば、

  • 朝の支度でかなり体力を使う
  • 通院がある日はその前後の家事が止まる
  • 買い物に行く前の準備で疲れてしまう
  • 書類や連絡が続くと頭が回らなくなる

こういう見方です。
厚生労働省も、サービス利用の判断では、生活状況や社会活動、居住などを把握するとしています。厚生労働省
つまり、「困っていること」を立派な言葉でまとめるより、生活が止まりやすい場面を拾うほうが、相談では役立ちやすいんです。

2. 「できる・できない」ではなく「あとでどれだけ消耗するか」を見る

もう一つ大事なのが、できるかどうかだけで判断しないことです。
福祉の相談でつまずきやすいのは、「できなくはないから困っていない」と思ってしまうことです。でも実際は、できていても、そのあとでぐったりして他が回らないなら、それは十分に負担です。

たとえば、

  • 通院には行ける。でも帰ると何もできない
  • 料理はできる。でもその日は他のことが止まる
  • 役所への連絡はできる。でも一件でかなり消耗する

こういうことです。
相談支援は、障害のある人の課題の解決や、適切なサービス利用に向けてきめ細かく支援する仕組みです。厚生労働省
だから、相談で伝える時も、「できます」で終わらせず、できるけど、そのあと何が止まるかまで見ると、負担が見えやすくなります。

3. 「毎日は困っていない」ではなく「崩れるきっかけ」を見る

「毎日ずっと困っているわけではないから、相談するほどでもないかも」と思うこともあります。
でも、暮らしの負担は、毎日同じ形では出ません。むしろ、あるきっかけで急に崩れることがあります。

たとえば、

  • 通院が入る週だけ急にきつい
  • 天気や気温の変化で動きにくくなる
  • 用事が2つ重なると一気に回らなくなる
  • 体調が落ちた時に立て直しが難しい

こういう「崩れる条件」は、かなり大事な情報です。
厚生労働省は、相談支援がさまざまな問題に応じて情報提供や利用支援を行うと示しています。厚生労働省
なので、「毎日ずっと困っています」まで言えなくても大丈夫です。どういう時に生活が崩れやすいかが見えるだけで、相談の入口としては十分です。

まとめ

福祉の相談で「何に困っているか分かりません」となる時は、次の3つで考えると、暮らしの負担が見つかりやすくなります。

  • どの場面で生活が止まりやすいかを見る
  • できるかどうかではなく、あとでどれだけ消耗するかを見る
  • 毎日の困りごとではなく、崩れるきっかけを見る

困りごとって、最初から名前が付いているとは限りません。
むしろ、生活の中にまざっていて、自分でも気づきにくいことのほうが多いです。だから、「何に困っているか分からない」は、相談してはいけない状態ではなく、相談の入口に立っている状態とも言えます。きれいに説明できなくても大丈夫です。まずは、止まりやすい場面と、消耗しやすい流れを拾うところから始めれば十分です。

参考文献・参照先

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