コミュニケーション

【本人のためを思って言っているのに、口うるさくなってしまうとき】伝わりやすく整える関わり方3つ

「ちゃんと伝えたいだけなのに、気づくと何度も同じことを言っている」
「心配だから言っているのに、本人にはうるさく聞こえていそうで気になる」
そんなことはありませんか?

支える側が口うるさくなってしまうのは、冷たいからではなく、たいてい逆です。気にかけているし、困ってほしくないし、できれば失敗も減らしたい。そう思うからこそ、言葉が増え、確認が増え、注意も増えていきます。
ただ、本人にとっては、その言葉が「支え」より「監視」や「急かし」に近く聞こえてしまうことがあります。

厚生労働省は、障害の有無にかかわらず、互いに人格と個性を尊重し合いながら、必要に応じて合理的な配慮を行うことの大切さを示しています。つまり、大事なのは「正しいことを言う」ことだけではなく、相手に届く形で関わることです。厚生労働省

今回は、本人のためを思って言っているのに、口うるさくなってしまうときに見直したい、伝わりやすく整える関わり方3つを整理します。
言わない我慢ではなく、届きやすい言い方に整える工夫として読んでもらえたらうれしいです。

目次

  1. 言う回数を増やす前に、「今ほんとうに必要な一言」をしぼる
  2. 注意するより、「一緒に見通しを作る」言い方に変える
  3. その場で言い切ろうとせず、あとで見返せる形を残す

1. 言う回数を増やす前に、「今ほんとうに必要な一言」をしぼる

口うるさくなりやすいときは、「大事なことだから、ちゃんと全部伝えなければ」と思っていることが少なくありません。
でも、相手が今受け取れる量を超えると、言葉は多いほど伝わりにくくなります。

たとえば、外出前に
「時間に気をつけて」「忘れ物ない?」「帰ったら連絡して」「無理しないで」「早めに出たほうがいいよ」
と続けて言われると、全部正しいことでも、本人には“追い立てられている感じ”として残ることがあります。

厚生労働省は、こころや体がしんどいときには、その日の気分や体調に合わせて無理のない方法を選ぶことが大切だと案内しています。この考え方は、声かけにもそのまま使えます。つまり、伝える側も相手が今持てる量に合わせることが大切です。厚生労働省

だからまずは、「今この場面で本当に必要な一言は何か」をしぼること。
全部言うより、一つ届く。
支援では、そのほうが意外と強いです。

2. 注意するより、「一緒に見通しを作る」言い方に変える

口うるさく聞こえやすい言葉には、「ちゃんとして」「忘れないで」「早くして」のように、相手にだけ動きを求める形が多いです。
もちろん悪気はありませんが、これが続くと、本人は「また注意された」と感じやすくなります。

そんなときは、注意する言い方から、一緒に見通しを作る言い方へ少し変えるのがおすすめです。

たとえば、
「忘れないで」ではなく「一緒に持ち物を確認しますか」
「早くしたほうがいいよ」ではなく「何時に出ると動きやすそうですか」
「ちゃんとやってね」ではなく「どこがいちばんやりにくそうですか」
というふうに変えるだけで、言葉の圧はかなり下がります。

厚生労働省が示す合理的配慮の考え方も、相手を一律に動かすことではなく、社会的な障壁を取り除いて参加しやすい形を整えることを大切にしています。厚生労働省

支援は、正論を渡すことより、進みやすい形を一緒に作ること。
ここに切り替わると、同じ内容でもずいぶん伝わりやすくなります。

3. その場で言い切ろうとせず、あとで見返せる形を残す

もう一つ大切なのは、その場で全部を口で伝え切ろうとしないことです。
何度も同じことを言ってしまうのは、相手が覚えていないからというより、口だけのやり取りでは残りにくいことも多いからです。

厚生労働省は、気持ちや考えを紙やスマホに書き出すことで、頭の中を整理しやすくなり、落ち着いて考えやすくなると紹介しています。書くことは、悩みや状況を少し客観的に見やすくする助けにもなります。厚生労働省

この考え方は、支援の言葉にも使えます。
たとえば、

  • 持ち物はメモにする
  • 手順は短く箇条書きにする
  • 約束ごとは一言メッセージで残す
  • 口で繰り返すより、見返せる形にする

こうすると、伝える側は何度も言わずにすみ、本人も自分のタイミングで確認しやすくなります。

口うるささを減らす近道は、「黙ること」だけではありません。
言葉を外に置くことです。
記憶に全部預けない形にするだけで、関わりはかなりやわらかくなります。

まとめ

本人のためを思って言っているのに、口うるさくなってしまうときは、
今ほんとうに必要な一言をしぼること、注意するより一緒に見通しを作ること、その場で言い切ろうとせず見返せる形を残すことが大切です。

気にかけているからこそ、言葉が増えてしまうことはあります。
でも、たくさん言うことと、伝わることは同じではありません。
むしろ、相手に届く支え方は、少し静かで、少し整理されていることが多いです。

支援は、声の大きさではなく、届き方の調整。
少し言い方を整えるだけで、関係はずっと軽く、続きやすくなります。

参考文献・参照先

【少しできるようになると、つい期待を上げすぎてしまうとき】無理なく続く支え方3つ前のページ

【支えたい気持ちはあるのに、本人の反応がそっけなくて戸惑うとき】受け取り方の違いを整える考え方3つ次のページ

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