外出

【電動車椅子で暮らしていると、災害時の移動がいちばん気がかりなとき】一人暮らしで先に考えておきたい備え3つ

防災の話になると、食べ物や水の備えはもちろん大事です。
でも、電動車椅子で暮らしていると、最初に頭に浮かぶのはそこじゃないことがあります。

「で、私はどうやって動くの?」
たぶん、ここなんですよね。

避難所がどうとか、備蓄がどうとか、その前にまず移動がある。
しかもその移動が、歩いてすっと出られる前提ではない。
電源は。段差は。雨は。エレベーターは。手伝ってくれる人は。
考え始めると、災害そのものより、「移動できなかったらどうしよう」がどんどん大きくなります。

でもこれは、大げさでも弱気でもなくて、生活の急所がどこかをちゃんと知っているということだと思います。
政府広報オンラインでも、要配慮者のための日頃の備えとして、避難場所と避難方法の確認や、周囲に協力を求め、安否確認方法を決めておくことが大事だと案内されています。政府広報オンライン

今回は、電動車椅子で暮らしていて、災害時の移動がいちばん気がかりなときに、一人暮らしで先に考えておきたい備え3つを書いてみます。
防災の優等生になる話ではなく、「動けない不安」を少し分けていく話です。

目次

  1. 「どこへ逃げるか」より先に「どう動くか」を考えておく
  2. 一人で何とかする前提をやめて、助けてほしい場面を言葉にしておく
  3. 充電を“防災用の特別な作業”にせず、いつもの習慣にのせる

1. 「どこへ逃げるか」より先に「どう動くか」を考えておく

防災では「避難場所を確認しましょう」とよく言われます。もちろんそれは大事です。
でも、電動車椅子で暮らしていると、実感としてはその一歩前、そこまでどう動くかのほうが大きいんですよね。

避難先が分かっていても、そこまで行けなかったら意味がない。
道の段差はどうか。
雨や風が強いときに動けるか。
近くの人に声をかけやすいか。
そもそも、どのタイミングで出るのが現実的か。

政府広報オンラインでは、障害のあるかたや避難に時間がかかるかたは、警戒レベル3「高齢者等避難」が出た段階で避難することが推奨されていると案内されています。政府広報オンライン

この「早めに動く」という考え方は、電動車椅子で暮らしているとかなり大事です。
ギリギリまで待つと、天候も悪くなりやすいし、周りも慌ただしくなります。
だから私は、「避難所はどこか」だけじゃなくて、自分はどの段階ならまだ動きやすいかを先に考えておくほうが、ずっと現実的だと思います。

2. 一人で何とかする前提をやめて、助けてほしい場面を言葉にしておく

災害時の移動が不安なとき、しんどいのは「助けが必要かもしれない」と分かっているのに、何をどう頼めばいいかが曖昧なことだったりします。

「手伝ってください」だけだと大きすぎる。
でも実際には、必要なのはもっと具体的だったりします。

たとえば、

  • 建物の外に出るところだけ手伝ってほしい
  • 段差のある場所だけ見てほしい
  • 近くの避難場所まで付き添ってほしい
  • 連絡だけ代わりにしてほしい

このくらい具体的になると、助ける側も動きやすいです。

内閣府防災情報のページでは、災害時に自ら避難することが困難な高齢者や障害者等の「避難行動要支援者」について、市町村が名簿を作成し、さらに個別避難計画の作成が有効だと案内しています。内閣府防災情報のページ

ここで言いたいのは、「制度を全部知っておこう」ではなくて、自分の移動で何がボトルネックかを言葉にしておくと強いということです。
一人暮らしの防災って、気合いより翻訳力なんですよね。
自分の困りごとを、人に伝わる形にしておく。その準備が案外効きます。

3. 充電を“防災用の特別な作業”にせず、いつもの習慣にのせる

電動車椅子で暮らしていると、防災の話が最終的にかなりの確率で電源の話になります。
これ、ほんとうにそうだと思います。

移動の不安って、道や天気のこともありますが、やっぱり「充電どうする」が大きい。
だからこそ、ここを防災だけの特別メニューにしないほうがいいんですよね。

内閣府防災担当の資料には、「電動車いすを使用している人は、使用後必ず充電し、いつでも使える状態にしておきましょう」という記載があります。内閣府防災担当資料PDF

この一文、すごく地味なんですけど、かなり本質だと思います。
防災のために急に完璧な電源計画を立てるのは大変でも、

  • 使ったらなるべく充電する
  • 充電のタイミングを後回しにしすぎない
  • いつもの残量感覚を持っておく
    このへんは、日常の中で少しずつ整えられます。

防災って、非常時だけが本番じゃないんですよね。
むしろ、いつもの暮らしの癖が、そのまま非常時の強さになることが多い。
だから、充電も「災害のときだけ頑張ること」じゃなくて、ふだんの習慣に乗せておくほうが、結果としていちばん現実的です。

まとめ

電動車椅子で暮らしていると、災害時の不安は「避難所がどうか」より先に、「そもそもどう移動するか」に集まりやすいです。
それは不安が強すぎるのではなく、生活のリアルな重さをちゃんと分かっているからだと思います。

今回のポイントは3つです。

  • 「どこへ逃げるか」より先に「どう動くか」を考えておく
  • 一人で何とかする前提をやめて、助けてほしい場面を言葉にしておく
  • 充電を防災だけの話にせず、いつもの習慣にのせる

防災って、「みんなと同じ形で動けるようになること」ではないんですよね。
自分の動き方に合わせて、早めに、少しずつ、止まりにくくしておくこと。
電動車椅子で暮らす防災は、その積み重ねなんだと思います。

参考文献・参照先

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