福祉の相談が終わったあとに、「あれも言えばよかった」「もっと分かりやすく話せたはず」「変に思われたかもしれない」と、あとから自分を責めてしまうことはありませんか?
相談の場では何とか話せても、帰ってから一人で反省会が始まって、気持ちだけぐったりする。これは、かなりよくあることだと思います。
とくに、体調や生活のしんどさを言葉にする相談は、ただ説明するだけでもエネルギーを使います。私も、車椅子で一人暮らしをしながら生活のことを人に伝える時、「話すこと」そのものが仕事みたいに重たく感じることがあります。だから、相談のあとに自分を責めたくなる気持ちは、決して特別なものではありません。
でも、ここで覚えておきたいのは、福祉の相談は“面接の一発勝負”ではないということです。障害のある人に対する相談支援は、福祉に関するさまざまな問題について相談に応じ、必要な情報提供や福祉サービスの利用支援、権利擁護のための援助などを行う仕組みです。つまり、最初から完璧に話せることより、困りごとを一緒に整理していくことが大切です。厚生労働省
この記事では、福祉の相談で「うまく話せなかった」とあとから自分を責めてしまう時に、気持ちを引きずりすぎない受け止め方を3つにしぼって解説します。福祉相談の考え方、相談後の落ち込みを軽くするコツ、次回につなげる整理のしかたが分かるので、障害福祉サービスや相談支援の場で自己嫌悪が強くなりすぎるのを防ぎやすくなります。
【目次】
- うまく話せなかった=相談が失敗、ではない
- 相談のあとに責めるより、「次に足すこと」を1つ決める
- 自分へのダメ出しより、「しんどい中で話した事実」を残す
1. うまく話せなかった=相談が失敗、ではない
まず大事なのは、「うまく話せなかった」と「相談が失敗だった」を同じにしないことです。
福祉の相談は、プレゼン大会ではありません。聞かれたことに全部きれいに答えられなくても、その場で言葉が詰まっても、相談の意味がなくなるわけではないです。
障害福祉サービスの利用手続きは、相談、申請、生活状況の確認、利用意向の聞き取り、サービス等利用計画案の提出、支給決定など、いくつかの段階を通って進みます。つまり、一回のやり取りだけで全部が決まる仕組みではありません。厚生労働省
だから、相談のあとに
「全部言えなかったからダメだった」
と結論づけなくて大丈夫です。
実際には、「今回はここまで伝わった」「次に補足できることがある」というだけの話かもしれません。
相談で大事なのは、100点の説明より、0点で終わらせないことです。少しでもつながったなら、それはちゃんと前進です。福祉相談は、満点を取る場所ではなく、生活を少しでも回しやすくするための場所です。
2. 相談のあとに責めるより、「次に足すこと」を1つ決める
相談のあとに自己嫌悪が強くなる時は、頭の中で何度も“反省会”をしがちです。
でも、その反省会、たいてい長いわりに次へ進みにくい。会議時間だけ長くて結論が出ない、ちょっと困った脳内ミーティングです。
そんな時は、「何がダメだったか」を何度も考えるより、「次に足すことを1つだけ決める」ほうが役に立ちます。
たとえば、
・通院がある週のしんどさを次回は足す
・一人暮らしで崩れやすい場面をメモしておく
・今日は言えなかった困りごとを1行だけ書く
これくらいで十分です。
相談支援は、福祉サービスの利用支援だけでなく、生活上のさまざまな困りごとについて情報提供や支援を行うものです。つまり、話しきれなかったことがあっても、あとから整理し直してつなげていける前提の仕組みです。厚生労働省
反省をゼロにするのは難しくても、反省を“次の材料”に変えることはできます。
責めるだけで終わらなければ、それはもう立派な立て直しです。
3. 自分へのダメ出しより、「しんどい中で話した事実」を残す
もう一つ大切なのは、自分にダメ出しをする前に、「しんどい中でちゃんと話しに行った」という事実を見ることです。
ここ、意外と見落としやすいです。話し方ばかり点検して、相談に向かったこと自体を無かったことみたいにしてしまう。でも実際には、それだけでもかなりの労力を使っています。
基幹相談支援センターは、地域における相談支援の中核として、総合的・専門的な相談支援や、関係機関との連携を行う役割があります。相談は、一人で全部うまく整理してから持ち込むものではなく、地域の支援の中で一緒に整理していくものです。厚生労働省
だから、相談のあとにおすすめしたいのは、
「うまく話せなかった」ではなく、
「今日はここまでやれた」
を1つ書いておくことです。
たとえば、
・相談先につながれた
・今困っていることを1つは言えた
・緊張していたけど、その場に行けた
このどれか1つでも十分です。
自分を甘やかすというより、事実をちゃんと数える感じです。
厳しすぎる採点より、正確な記録のほうが、次に進む助けになります。
まとめ
福祉の相談で「うまく話せなかった」とあとから自分を責めてしまう時は、次の3つを意識してみてください。
- うまく話せなかった=相談が失敗、ではない
- 相談のあとに責めるより、「次に足すこと」を1つ決める
- 自分へのダメ出しより、「しんどい中で話した事実」を残す
相談は、きれいに話せた人が勝つ場ではありません。
しんどい中でも、少しずつつないでいく場です。
あとから反省したくなる日があっても大丈夫。その反省を、自分を削る刃ではなく、次につなぐメモくらいにしておけたら、それで十分です。
参考文献・参照先
- 厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/soudan_shien.html - 厚生労働省「サービスの利用手続き」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/riyou.html - 厚生労働省「基幹相談支援センター」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/kikan.html












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