一つの用事を済ませただけなのに、もうその日ぜんぶの元気を使い切ったように感じる。そんなことはありませんか?
外出、連絡、手続き、買い物。ひとつひとつは「大したことではない」と見られやすくても、実際には準備、移動、気づかい、終わったあとの立て直しまで含めると、かなりエネルギーを使います。
だから、疲れてしまうのは弱いからではありません。むしろ、生活をちゃんと回そうとしているからこそ起こる、ごく自然な消耗です。大事なのは、気合いで耐えることではなく、一つの用事で一日が終わりにくい形に整えることです。今回は、脳性麻痺の当事者として電動車椅子で一人暮らしをしながら、暮らしに役立つ情報を発信している私が、消耗を減らすための見直し方を3つに分けてお話しします。
目次
- 用事そのものではなく「前後の負担」まで含めて考える
- 忘れたくないことは自分の頭だけで持たない
- 終わった実感と小さなごほうびを用意する
1.用事そのものではなく「前後の負担」まで含めて考える
結論から言うと、疲れやすい日は「用事の中身」より、その前後にかかる見えない負担を見直すことが大切です。
たとえば、ひとつの外出でも、
準備する、持ち物を確認する、時間を気にする、移動する、人とやり取りする、帰ってきて片づける、気持ちを戻す。
こうして並べてみると、用事はひとつでも、やっていることは意外と多いです。
厚生労働省は、こころと体のセルフケアは「自分のできる範囲で自分の面倒を見ること」が基本であり、その日の気分や体調に合わせて選ぶことが大切だと案内しています。厚生労働省「こころと体のセルフケア」
だから私は、「一つの用事の日は、それ以外を軽くする」考え方が大事だと思っています。
外出がある日は、帰宅後に重い用事を入れすぎない。
連絡が多い日は、考える作業を減らす。
手続きがある日は、食事を簡単にしておく。
こんなふうに、その日全体で帳尻を合わせるほうが、ずっと現実的です。
2.忘れたくないことは自分の頭だけで持たない
一つの用事で疲れやすい理由のひとつは、「忘れたら困ること」を頭の中で持ち続けていることです。
これが地味に、でもかなり効いてきます。
私は、重要なことはアレクサにリマインド登録をしています。自分で全部覚えておこうとしないだけで、気持ちの張りつめ方が変わります。
「あれを忘れないようにしなきゃ」とずっと頭の片隅で抱えていると、用事が始まる前からすでに疲れてしまうからです。
また、厚生労働省は、もやもやした気持ちは紙やスマホに書き出すことで、悩みと距離を取り、落ち着いて考えやすくなると紹介しています。書き出すことは、気持ちの整理だけでなく、やることの整理にもかなり役立ちます。厚生労働省「今の気持ちを書いてみる」
「自分で全部覚える」から、
「忘れない仕組みに預ける」へ。
この切り替えだけでも、用事ひとつぶんの消耗はかなり変わります。
3.終わった実感と小さなごほうびを用意する
消耗を減らすには、用事をこなすことだけでなく、終わったことが自分に見えることも大切です。
私は、実施したら手帳に☑を入れたり、メールソフトのタスクリストから消したりして、進捗を見える形にしています。これは単なる記録ではなく、「ちゃんと進んだ」と自分に分かるための工夫です。見えない頑張りは、意外と気持ちをすり減らします。逆に、終わったものが見えると、少し気持ちが落ち着きます。
さらに、「これが終わったらチョコを食べる」みたいな、小さなごほうびも作っています。
大きな達成感は毎回なくても、小さな区切りがあるだけで、人は案外動きやすくなります。少し子どもっぽく見えるかもしれませんが、私はこういう工夫はむしろ大人に必要だと思っています。大人は、誰もスタンプカードをくれないので、自分で作るしかありません。
また、気持ちが張っているときは、深い呼吸を意識することも役立ちます。厚生労働省は、不安や緊張が強いときには、腹式呼吸のような深い呼吸を勧めています。厚生労働省「腹式呼吸をくりかえす」
用事の前でも後でも、少し呼吸を整えるだけで、消耗の深さがやわらぐことがあります。
まとめ
一つの用事で一日ぶん疲れてしまうときは、体力や気合いの問題だけではありません。
用事の前後にある見えない負担を、ひとりで全部引き受けていることも多いです。
大切なのは、
- 用事そのものではなく、前後の負担まで含めて考えること
- 忘れたくないことは自分の頭だけで持たないこと
- 終わった実感と小さなごほうびを用意すること
この3つです。
消耗をゼロにするのは難しくても、減らすことはできます。
少し任せる、少し見えるようにする、少し甘やかす。
そのくらいの見直しでも、一日のしんどさはちゃんと変わっていきます。












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